空気時計制作工房

母屋では日記と詩を公開中です。

テーマ「矛盾」思索―2


今日も「矛盾」について考えていた
考えると言ってもボクの場合は
無意識下に紐をつけて沈めるだけだ


「矛盾」とは、その字とおり
何らかの複数のものの間で生じる
単一のものでは生じない


「矛盾」とは、その字とおり「矛」と「盾」
そもそも人間は道具を作り、道具を使う
そもそも人間は結合と分離を行う


土塊から金属を分離し
金属の中からまた分離して
それをまた結合させ


木を切り 石を切り出し 草木を搾り
さまざまな素材を作り
さまざまな素材を結合させ
道具を作る


道具だけでなく 概念もそうだ
「命」という自然な概念から分離し
「生」と「死」の概念をつくった


「気持ち」を分離し
喜び 悲しみ 愛しさ 切なさ
様々な感情の概念をつくった


人間は結合と分離とで
様々なものを作り出した


「矛盾」とは、その字とおり
何らかの複数のものの間で生じる
もし 何かと何かが
出会わなければ「矛盾」は生じない


しかし 人間は
何かと何かを出会わせ
何かと何かを別れさせ
生きていくのだ


究極のひとつから
分散したひとつひとつを作るのだ


究極のひとつ自体は
自己矛盾しないものであると仮定しても
結合と分離とでつくられたひとつは
日常茶飯事に「矛盾」する


今日は「矛盾」について考えていた
考えると言ってもボクの場合は
無意識下に紐をつけて沈めるだけだ


無意識下のカオスには矛盾がない
なぜなら混沌とした渾然一体のひとつであり
個々に存在するひとつひとつの概念すらない


だが 意識においても 現実においても
「矛盾」は常に存在する・・・


結論めいた言い方をすれば


「それとそれとが邂逅するから矛盾する」


「それとそれとが邂逅することなしに


 新たなそれは生じない


 新たなそれを求めるから矛盾する


 新たなそれを求めずして


 人は生きていけない


 人は矛盾しなければ生きていけない」