空気時計制作工房

母屋では日記と詩を公開中です。

SOG20240216 再始動

事の発端は一編の詩

 

◆喰らいの王

 

牛が草を食むように
蚕が桑を食むように喰らう
例え それが 自己であれ例え
例え それが 同朋であれ喰らう

ただ 黙々と ただ 淡々と喰らう
あれが それを それが これを
これが あれを喰らう 食物連鎖 弱肉強食
神の子を 仏の子を喰らう

喰らうものと 喰らわれるもの
喰らわれるものも 喰らうもの

喰らいが止むのは 喰らわれるのの不在か

喰らうものの死あるのみ そう なる はず だった

一億匹の 一億頭の 一億人の
死体の山もあの小さきものたちが
土に帰してくれるはずだった

あいつが生まれるまでは

闘いで傷つこうとも
身体の一部を失おうとも
自己再生させてしまう
究極の戦士

個々の細胞に 個の設計図を持ち
個々の細胞に 個の存在理由の記憶を持ち

身が粉々に砕け散ろうとも他の細胞に取り入り
他から個を再生させる

数億匹の 数億頭の 数億人の死体の山が
個々の細胞に 個の設計図を持ち
個々の細胞に 個の存在理由の記憶を持ち
数億の個となる

些細な綻びが
全体の多大なる亀裂となるように
死なない 死ねない存在が
恒常性を駆逐した

死あればこその生であり 生あっての死
その連携し合った 対極あっての共存

共存の崩壊がもたらした究極の不均衡
「個」の「他」への駆逐 「個」の唯我独尊の凌駕

地が「個」のみで独占された時
「個」は喰らうべき「他」を失った
激しい 激し過ぎる「飢餓」が「個」を襲う

「個」は「個」を喰らわない

その原則さえも激しい「飢餓」のもとでは

原則に過ぎず

「個」は「個」を喰らい 最終的「個」が残り
もはや喰らうべき「個」の喪失は
さらなる「飢餓」を「個」にもたらした

「個」とて60兆余の
細胞の集合体に他ならず
細胞は細胞を喰らいつつ
究極の一細胞だけが残った

一細胞は前例に漏れず
激しい「飢餓」に苛まれ
最終的な「それ」を狭まれた
自分を自分で喰らえない


原点は何であったのか
地球そのものを喰らわず
多種多様に渡る
分岐と進化ではなかったのか

究極を狭まれたら原点に回帰する以外に術はないのだ

そう気付く時「個」の「個」なる細胞は
喰らうべき最終の 無尽蔵にも等しき
それを見出したのだった

「個」の「個」なる細胞は
喰らうべきそれへと
自らの設計図を捨て
自らの存在理由を捨てたのである

大地を喰らうパルタ ここに生じ
大地を喰らうパルタ ここに在り
大地を喰らうパルタ ここに存えるをもって
「存在」となった

 

D・J・サリンジャーが「バナナフィッシュにうってつけの日」を書いたばかりに

シーモアシリーズを書く羽目になったように私も書かねばならなくなった。

そこで、妄想に継ぐ妄想の果てが

 

21世紀後半

           〇突然、太陽が上からかけ始め消失、また下から太陽が見え始める

           太陽が瞬きしたように見えるこの現象は「太陽の瞬き」と呼ばれる

 

           〇その9か月後、死産が増加

           また、その3か月後 生後3カ月で喋り始める乳児が報告される

           7人の超天才の乳児が発見され、「ネオ・サヴァン」と呼ばれる

 

           〇15年後 ネオ・サヴァン達が様々な発見・発明を始める

           ・デルタ波動の発見-「太陽の瞬き」の原因

           ・デルタ波動生成装置の発明

           ・デルタ波動通信(短距離)の発明

           ・ナノマシーンによる癌治療の発明

 

           〇8人目のネオ・サヴァン 黒島(隠蔽の天才)が秘密裏に暗躍

           ・七人のネオ・サヴァン月面基地に幽閉

 

           〇月面基地内でな発見・発明

           ・ハニカム波動の発見(デルタ波動を6本収束)

           ・ネオ・サヴァン マリーとローランが結婚―妊娠(胎児性ガン)

           ・生まれてくる胎児(パルタ)を治療するため

            ナノマシーンによる細胞再生を発明

           ・黒島がその療法を悪用 再生する兵士:パルタを量産

 

           〇月面基地で7人のネオ・サヴァン 秘密裏に活動

           ・ハニカム波動発生装置の発明

           ・ハニカム波動エンジンの発明

           ・ハニカム波動通信(情報伝達+動力伝達)の発明

           ・「太陽の欠伸」理論

 

           〇突然、太陽が欠伸するように中央から口を広げだす

           大量のハニカム波動が地球を襲う 地球の生物死滅

           ハニカム波動エンジン搭載のアウフヘーベン号、幼児パルタを乗せ発進

 

と、辻褄合わせとなりました。

この後、生物が全死滅したかの地球、ハニカム波動通信でアウフヘーベン号から

地中深くのパルタの塊(大パルタ)に指令が発せられる。7人のネオ・サヴァン達の最期の願いだった。アウフヘーベン号でパルタ(小パルタ)は宇宙を流離う。

 

そして数千年? 数万年の時間が経過する。これから先が「ヨモ大陸物語」となる予定なのですが、先は長そうですね。