空気時計制作工房

母屋では日記と詩を公開中です。

SOG20240212 プロットを制作中

時系列を無視して 事実は複合する

この大陸の成り立ちは記憶の奥底

「いにしえの記憶」は点在する

自己同一性でありながら総体を得ない

 

各人4行の断片 内環に居る間だけ

意識に浮上する 根源のまほろ

かくあり かく生き かく逝く

生命の保養場 ヨードの地 内環

 

内環から各国への出入り口

「木札所」と呼ばれる場所

世話人であるポータ達が詰め

「いにしえの記憶」を書き留める

 

当人に1枚 各国用に1枚

おそらくは 膨大なクロニクル

「日輪の欠伸」以前の

「日輪の瞬き」からの

 

―――――――――――――――――――――――――

ヨードは 心身の保養場 治癒の場

年相応のあるべき姿まで再生する

多くは首から下をヨードに埋めて

重い病も 酷い怪我も 完治する

 

若返りはなく 細胞年齢は刻まれる

内環はデルポリなる固い樹脂の囲い

各国 ひとつの出入り口

内面には様々な壁画が描かれている

 

北から西 日輪 瞼 半目 日輪

西から南 七人の白い影 一人の黒い影

南から東 子供 月 天渡る舟

東から北 日輪 二重日輪 砂漠 

 

「いにしえの記憶」の全体像と言われ

「日輪の瞬き」「七賢者一黒」「パルタ」

そして「日輪の欠伸」とポーター達は

訪れる者にそう告げ続ける

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ヨモ大陸の民はすべからく

「いにしえの記憶」を持つ

普段は思い出せもしない

心の奥底に刻まれたもの

 

ヨードの地 各門を潜り

ホーライ山麓にいる間だけ

「いにしえの記憶」を思い出す

それはたった四行の詩篇

 

各国 各門の傍らには

木札所と呼ばれる

「いにしえの記憶」を

記録する出先がある

 

木札に四行の詩篇を記し

一枚を本人 一枚を国が保管する

ヨードの地を取り囲む内環を出ると

「いにしえの記憶」は心に没する

――――――――――――――――――――

朝議は とにかく騒がしい

各人は一斉に発言する

女王はその全てを聞き分ける

女王は答えるべきに応える

 

大具 超聞の兜は

一見 鉄仮面

頭部を覆い尽くす

五感を研ぎ澄ませる

 

五感だけではない

感覚を処理する頭脳が

同時に発言する臣たちの

内容を聞き分け理解する

 

女王 ティーモン・ティー

別名 鉄仮面王

フォワタ国 二代目王

かつてはコクトー大陸 小民族

――――――――――――――――――――

四行の詩篇は まちまち

親子による連続性もなく

淡々と何等かを叙述する

膨大な歴史書の一節が如く

 

ティモン・ティーンの木札

「陽瞬により七賢人は生まれ

 隠匿の賢人 八人目は

 陽欠伸によって

 大パルタ 地中へと没す」

 

学者は木札を集め

少しずつ前後をつなげ

意味あるものへと試みるが

未だ 暗中の鵺

 

ある日の朝議 ある臣が

その現状を報告した時

「我の前にて 百人が読み上げよ

 百回 繰り返せば 万となろう」

――――――――――――――――――――

百を聞き分け 百を理解する

ティーモン・ティーン女王

気札所へと赴き 万聞を行う

その後に発す言葉

 

「他国も同じ内容なら

 平和が続き

 他国と違うのならば

 戦乱の世となろう」

 

その後も朝議にて 仮面王

臣の言に応じて 万聞を活かす

「加えて万聞を」との臣に答えて

「差が争いを生む、万聞でよい」

 

「王具は四種 各王家に固有

 他国より配偶者を迎えよ

 王家の交差により

 単王 双王 鼎王 完王 となろう」

――――――――――――――――――――

「兜は知恵を 剣は仕組みを

 盾は光明を 鎧は安寧を司る

 完王はホウライの頂きにて

 パルタと邂逅するであろう」

 

「ヨモの他国を侵してはならぬ

 コクトーに備えよ

 外環 崩壊するとき

 内環 隆起する」

 

「ふたたび日輪 瞬き

 ふたたび日輪 欠伸し

 ハニカム波動 再来し

 全ては微塵に帰す」

――――――――――――――――――――

ヨモ大陸の四王朝 その起源はコクトー帝国の属国

亜種と呼ばれる コクトーでは出来損ない

肌の色 瞳の色 髪の色 各国へ振り分ける

それとそれらの寄せ集めの海洋船団民族

 

ヨモ大陸を取り囲む大岩礁 外環(そとたまき)

「大蝕」は不定期に起きる 前触れは「日輪の欠伸」

外環はそこだけ引力が無くなるように

天まで届きそうな筒状の水柱が生じる

 

湿地帯に舟状の住居を立てるファニクはその住居ごと

露天掘りに生じた地下道を通ってフォワタの民が

森林の樹木上に家を建てるブードラは木々と共に

船団民族 タートスは水柱を上り ヨモ大陸へと

 

それぞれの民族の長(おさ)は そのまま王家となり

ポーターから渡された「ハニポリの王冠」を戴冠

王冠を戴冠すると頭蓋に没し 王具を具現化させた

兜 鎧 盾 剣 各国とも一種の武具が具現化した

時系列を無視して 事実は複合する

この大陸の成り立ちは記憶の奥底

「いにしえの記憶」は点在する

自己同一性でありながら総体を得ない

 

各人4行の断片 内環に居る間だけ

意識に浮上する 根源のまほろ

かくあり かく生き かく逝く

生命の保養場 ヨードの地 内環

 

内環から各国への出入り口

「木札所」と呼ばれる場所

世話人であるポータ達が詰め

「いにしえの記憶」を書き留める

 

当人に1枚 各国用に1枚

おそらくは 膨大なクロニクル

「日輪の欠伸」以前の

「日輪の瞬き」からの

 

―――――――――――――――――――――――――

ヨードは 心身の保養場 治癒の場

年相応のあるべき姿まで再生する

多くは首から下をヨードに埋めて

重い病も 酷い怪我も 完治する

 

若返りはなく 細胞年齢は刻まれる

内環はデルポリなる固い樹脂の囲い

各国 ひとつの出入り口

内面には様々な壁画が描かれている

 

北から西 日輪 瞼 半目 日輪

西から南 七人の白い影 一人の黒い影

南から東 子供 月 天渡る舟

東から北 日輪 二重日輪 砂漠 

 

「いにしえの記憶」の全体像と言われ

「日輪の瞬き」「七賢者一黒」「パルタ」

そして「日輪の欠伸」とポーター達は

訪れる者にそう告げ続ける

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

寝覚めると 落葉に埋もれて

体の調子は よいのだけれど

周りを見回すと 同様な仲間たち

一体 ここは何処?

 

頭の中で ヨード 内環 ヨモ大陸・・・

様々な言葉が湧き出してくる

「いにしえの記憶」だと また湧き出す

記憶を辿る きっと仲間たちも

 

コクトー帝国の属国を逃れ

一艘の船で海上を彷徨っていた

「大蝕」といにしえの記憶が告げる

天井へと逆さまの滝みたいな巨大水柱

 

舟は上空へと昇っていく

空気が薄くなり気を失う

そして気が付けば

内環 ヨードに埋もれている

 

内環は デルポリでできた壁

デルポリは高度な樹脂

内環は ホウライ山の麓

ホウライ山は ハニポリで覆われている

 

次から次へと いにしえの記憶が告げる

仲間たちも同様らしく

内環のつるつるな壁 聳え立つ山を眺め

出口を探している者も

 

ひとりが「タマモノ」と呟く

手にはハニポリの剣

「東西南北にひとつずつ・・・」

デルポリの壁に向かう

 

東西南北に出口が作られる

ハニポリはデルポリを切ることができる

東の門 南の門 西の門 北の門

仲間と外を眺める

 

次から次へと いにしえの記憶が告げる

ポータはヨードの世話人

ポータは君たち 内環は君たちの場所

外に住むべき住民を導け

 

今の湿地の民は もとは鉱山の民

もとの湿地の民が建てた家船に住む

今の鉱山の民は もとは湿地の民

家舟を建て 緑の峡谷を高く堰き止めよ

 

農耕の民は もとは森林の民

もとの濃厚の民が建てた地上の家に住む

森林の民は もとは農耕の民

もとの森林の民が建てた木上の家に住む

 

家は全て家船に変えよ 次の大蝕までに

緑の渓谷が満水になったら家船を浮かべ

一気に堰を切るのだ 次の大蝕までに

それぞれの民の王となるべき者の主導で

 

湿地の民は東の地へ 鉱山の民は北の地へ

農耕の民は南の地へ 森林の民は西の地へ

それぞれの王国とし 王家を世襲せよ

王にはすでに伝えてある 大蝕は三度目の満月

 

一直線に並ぶ 鉱山 森林 農地 湿地

大洪水の水流に乗って海へと至り

大蝕は民をヨモ大陸へといざなう

 

私達はポータ 内環の世話人

民の心身を癒し 民に伝える

「いにしえの記憶」を

ヨモ大陸のあるべき姿を