空気時計制作工房

母屋では日記と詩を公開中です。

大牟田線物語 プレ・プロローグ

ボク 赤面恐怖症 だったんだ
高校の頃さ


きっかけは チャック満開事件
家から電車 電車からバス
その間じゅう 満開だったわけ


いろんな女子高があるんだ
その電車やバスで通学する


それからとゆうもの 電車やバスに乗ると
あの時のボクを 見ていたんじゃないかって
そのうちに ありもしないヒソヒソ話が聞こえてくるんだ


すると顔が赤くなる 赤くなった自分が恥ずかしくって
いっそう赤くなる そんな悪循環


それで バスや電車の中では 本を読むことにしたんだ
ところがね 本を読んでいても ふと頭をもたげる瞬間がある
その瞬間に また赤面恐怖症が 襲ってくるんだよ


少しでも退屈する本じゃ駄目
退屈しなくても 長い話は やはり本から目をはなして
頭をもたげる瞬間が生じるから駄目


退屈しなくって 短い話で 1冊の本にたくさん話が載っているもの
ボクを救ってくれたのは 星 新一のショートショート
一冊読み終わっても 読みきれないほどの作品集
ボクは 星 新一に救われたんだ


そうこうしているうちに 赤面恐怖症も治り
(治ったと言うよりも 仮面ができたのかな)
大牟田線物語のプロローグとなるわけさ