空気時計制作工房

母屋では日記と詩を公開中です。

ルフラン


■Prelude/Cogwheel17・19


歯の数が17の歯車
凸が17 凹も17
歯の数が19の歯車
凸が19 凹も19


歯車には
凸の数だけ凹がある
まるで 人の
長所と欠点のようにね


人は 何かしら健康で
人は 何かしら病気で
お互い 何かしら埋め合って
お互い 何かしら補い合って


お前十七 俺十九
二人で過ごすDate Date Dite



■The first movement/Passing each other



俺は気付くべきだった
歯車17の第一凹に
歯車19の第一凸が
噛み合った時に


同じ時が流れながらも
歯車17の第17凹に
歯車19の第17凸が
噛み合う後のことを


陽はのぼり 陽はしずみ
日輪に見守られながら
ルフランでありながら
ルフランでないもの


歯車17の第一凹に
歯車19の第18凸が噛み合う




■The second movement/Gap


淡々と歯車は回る
坦々と歯車は巡る
耽々と歯車は食い違う
まだ一周もしていないのに


歯車19が一周を終える
歯車17の第三凹と
歯車19の第一凸が
次に噛み合う


お前はもう一周し終えているのに
もう お前と同じナンバーの
凹と凸は噛み合うことはない
お互い「素」なる存在なのに


浜辺に置き忘れられた
エラトステネスのふるい



■The final movement/Reappearance


323・・・お前と俺のLCM
噛み合い続け 擦れ違い続けた
最大公約数を持たない
そんな二人に お前と俺に


お前がちょうど二十周目を迎える時に
歯車17の第一凹に
歯車19の第一凸が噛み合った
俺の十八周目の門出


違いがあるから 同じじゃないから
お互い刻めた 異なる組み合わせ
そして また同じ時を刻み始める
そして またDate Date Dite


本当のルフランを知る日まで
歯車17と歯車19の物語