空気時計制作工房

母屋では日記と詩を公開中です。

所感

http://video.google.com/videoplay?docid=3637095941962553675

このブログでは、詩のテーマのリクエスト等をいただき
展開するつもりでしたが、なかなか容易ではないみたいです。

そこで、他のブログを含め、公開した詩の背景を書いていこうと思います。

ピグマリオン(No.723)


外的宇宙の君を 
ちゃんと見ているうちはよかった


会えなくなって 内的宇宙に像を結んだ君
言葉を交わすこともなくて 内的宇宙に像を結んだ君


ボクは ピグマリオン
内的宇宙に像を結んだ君を
ふくらむばかりの君を 美化されるばかりの君を
愛し始めた時から 外的宇宙の君はかすみ始めた


ボクは ピグマリオン
会えなくなって 言葉を交わすこともなくて
現実とのギャップを埋めきれずに
偶像を愛し続けたピグマリオン


君が人の道を逃れて遠く
逝ってしまったことも知らず


青春は 
馬蹄形磁石を引きずりながら歩く砂場の少年
蹉跌ばかりがつきまとう<<


14歳から21歳まで
私が恋焦がれていたひとりの女性の死が
始まりかも知れません。

その方が亡くなってから、10年が過ぎようとしたある日
駅を降りて自宅へと向かおうと改札をぬけた瞬間
その悪寒は私の背中を駆け抜けました

19歳の頃、私が彼女に贈った詩集の一節が
その悪寒の原因でした

■風見鶏

俺は鳴けない風見鶏
星になった あの人に
夜露の涙をこぼします


俺は飛べない風見鶏
追うに追えない あの星を
ながめるだけの風見鶏

私は彼女の死を予言していたのだと
それも詩集の冒頭で

なおかつ、この詩はラジオの番組で
曲がつけられ歌となり
オンエアされたのですから

その番組では、もう一曲同様に曲がつけられオンエアされました


■君の名は


闇夜に あの娘(こ)の名を呼べば
サイコロ ころがる音がする
フリダシ アガリのスゴロクが
1回休みと 皮肉げに皮肉げに

同じ高校を受験し、私の方は不合格
私立高校に通学し始めて
はじめて自分の気持ちに気づいた
しかし 私はピグマリオン状態
高校を卒業し、大学へ・・・
これも不合格 一浪することとなり

フリダシ アガリのスゴロクが
1回休みと 皮肉げに皮肉げに

彼女は専門学校へ通いだし、会おうと思えば
私鉄の駅で話かけることが可能となった
その時 彼女の近況などを聞きながら
高校時代に書いた詩の数編を
彼女に贈ったのだった


しかし 私は浪人中の身
とにかく大学合格しないことには
自分の気持ちも打ち明けられない
そう思っていた


一浪の末 大学合格
彼女は就職し
毎朝 同じ電車に乗る日々が続いた
それでも 私はピグマリオン


現実との落差に困惑していた
14歳から7年目
蝉だって7年もたてば
鳴き始めると 自分の気持ちを伝えたら


蝉って鳴き始めて一週間の命だった・・・
見事に振られてしまった
その時 見上げた夜空が
ひとつの童話となった


童話:ハーモニカの星


今回はここまで・・・